■サパとは

ベトナム北部ハノイから北西に約380km,中国国境近く,標高1600mにある1900年代に植民地時代のフランス人が開発した避暑地です。

サパの場所

サパはモン族,ザオ族,ザイ族,フーラー族,タイ族など多数の少数民族が住んでいるエリアでもあります。1880年頃まではあまり知られていない地域で,ベトナム人(キン族)はベトナムで最も標高の高い谷であるこのエリアを占領していませんでした。フランス植民地時代にフランス人によって知られるようになり,地図に載ったのもこのころです。

元々,低地で耕作が楽な地域はベトナム人(キン族)が居住しており,高地の居住が難しい地域では中国の内乱などから避難してきた少数民族が多数居住しており,高地や渓谷の地形により隔離されていたために近代まで少数民族の伝統文化が残ることになりました

そのため,サパでは美しい景観や,棚田,自然,少数民族の伝統文化が残っており,世界中から観光客を惹きつけてきました。

 

■1.高速道路が開通して格段に行きやすくなったサパ

昔,まだ高速道路が開通していなかった頃に,ハノイからサパ行きを検討した事がありました。バスでも10時間以上はかかる場所だったので,一番の選択肢は寝台夜行列車が一番楽そうだったのを覚えています。

現在ではハノイ~ラオカイを結ぶ高速道路が、2014年9月21日、全線開通して。ハノイ~ラオカイ間は、全長264km、約4時間で行くことができます。いままでこの区間は片道9時間以上掛かっていたので半分の時間で行けるようになっています。

現在は昔に比べて流通がよいので.サパでの物資の種類と数は,ほぼハノイと変わらなくなっています。そのため,サパでの現在の暮らしはほぼ都市部と同じ様な暮らしも可能になってきています。

■2.サパの少数民族ベトナム化

サパと言えば少数民族ですが,その少数民族もだんだんとベトナム人化が進んでいるようです。

年を取った少数民族の人達の2割ほどは未だにベトナム語の読み書きもできないようですが,現在は,若い世代は学校に行き,ベトナム語の読み書きができます。

ベトナムでは高校までは無償で学校にいけるそうなので,尚更,少数民族の文化や言語よりもベトナム人の文化に近くなってきているようです。大学は国立は少数民族には半額で行けるよう優遇策がとられているようです。

少数民族衣装も下手に少数民族の衣装を着ると見世物の様になり,観光客の恰好の被写体になるので,普段から民族衣装を着ない若い人が増えています。

少数民族のカラフルな衣装で有名な花モン族のサンデーマーケットに行っても,年を取った年長者が民族衣装に身を包んでいるのはよく見かけますが,若い人はあまり見かけませんでした。

少数民族の独自の言語も,職を得るのはベトナム語の方が有利なため,だんだんとベトナム語の方に移行しているようです。

■4.ファンシーパン山のロープウェイと観光地化

サパではホテルの建設ラッシュが続いています,サパの街はホテルだらけと言っていいでしょう。

現在は,サパの観光資源は少数民族が主になっていますが,早晩少数民族はベトナムに同化して吸収されていくものと考えられます。次代の観光の目玉はファンシーパン山になるようです。

‐ファンシーパンロープウェイ

サパには,ファンシーパン山というベトナム最高峰,標高3,143メートルの山があります。

ファンシーパンロープウェイが2016年に開通して,以前には登山に2日程掛かる登頂困難な登山が15分程で山頂に着くことができます。


‐ファンシーパン山の霊峰神格化

ベトナム中から観光客や信者を誘致するためか,ファンシーパン山の神格化が始まっているようです。

ファンシーパン山のケーブルカーと,ファンシーパン頂上の仏堂や仏像(建設中)がベトナム中からの需要を見込んでの事だと考えられます。

■5.モン族の村は近代化が進む

モン族の村には発電施設もできており,今では,電気も通っています。

モン族の村ツアーは,いろいろなツアー会社が催しているようで,それも同じルートを通っているようで,ほかの外国人観光客とツアーの途中で出会います。道も同じ道を通るようで,非常に混雑する事もあります。

秘境感はまるでありません。

そのうち,サパ全体が,黒モン族のカットカット村のように少数民族テーマパークの様になっていくような感じです。

■6.携帯電話とインターネットの普及

ベトナムでは携帯電話の加入者数が人口を上回っています。携帯電話の値段も中国製格安スマートフォンが進出してきており,スマートフォンの普及率も格段に上がっています。

既にベトナムのほとんどの人が簡単に世界中の情報にアクセスする事ができる状態です。その中で昔ながらの伝統的な暮らしを維持して行くのは年々難しくなってきています。

●村の子供達はネットゲームに夢中
モン族の子供達は少し前まではコマやシーソー,ブランコなど昔ながらの伝統的な遊びを主にしていました,現在は子供達はネットゲームに夢中です。これも時代の流れです。

■秘境感がなくなってきているサパ

ファンシーパン山の開発状況と見てみると,頂上に仏陀を作り,お寺を作っています,サパは将来を見据えて,ファンシーパンの頂上を神聖な場として地元のベトナム人の信仰を集めようとしているようで,これからのサパ観光の目玉にしようとしているようです。

高速道路ができてハノイからのアクセスが便利になっている上,サパ近くに飛行場を作る話も出てきています。

今までのサパは昔ながらの伝統衣装に身を包んだ少数民族と風光明媚なサパを見に来るために多くの観光客がやってきました。これからは,少数民族も普通のベトナム人と変わらなくなり,伝統的な村も現代と変わらない生活になり,サパは少数民族を観光の目玉にするのではなくなって行くでしょう。(中国にある様な少数民族のテーマパークはできるかもしれませんが)

これからのサパは,避暑地としての魅力とファンシーパン山の聖地巡礼が主軸になっていくのかもしれません。


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