ベトナム語を勉強してみるといろいろと壁にぶち当たる事があります。何故ベトナム語が難しく感じるのか自分なりにまとめて見ることにしました。大きく分類するとベトナム語が難しい理由は大きくわけてベトナム方言とベトナム語の構造になると考えています。

■ベトナム語の方言が3つに別れる歴史的理由

-ベトナム北部・中部・南部で発音が違う

ベトナム語では北部,中部,南部で方言が分かれています。そのため標準語であるはずのハノイのベトナム語が中部や南部では通じないことが多くあります。

①ベトナム北部がベトナム語の基本

北部:青色の部分
出典:李朝(ベトナム)

秦の始皇帝以来(前214年)ベトナム北部は1000年もの間中国の支配下にありました。1009年の李王朝から1802年までのベトナム各王朝は独立しながらも中国の朝貢国になったり属国になったりと繰り返しながら中国の影響を受け続けていました。現在残っているベトナムの伝統や風俗も中国から多大な影響を受けいます。

13世紀に漢字を元にしたベトナム語表記・チュノムも考案されましたが,普及しませんでした。しかしながらベトナム語の70%は中国語漢字由来と言われています。ベトナム語と広東語の発音が似ているとよく言われていますが,広東語とベトナム語ではお互いに通じる事はできません。

②ベトナム中部方言

ベトナム中部方言はベトナム人同士でも通じないと言われる程違っています。ベトナム中部は長い間ベトナム人の国ではありませんでした。

中部:緑の部分
出典:チャンパ王国

ベトナム中部はチャンパ王国(192年~1832年)が長期に支配していました。チャンパ王国での主要民族はチャム人でチャム語を使用していました。文化的にはインドからヒンドゥー文化を受け入れ,13世紀頃にはイスラム文化を受容するようになりました。現在ではチャム人はベトナムやカンボジアの少数民族として存続しています。

ベトナム中部のベトナム語はハノイの人達でも理解できない事が良くあるようで,元々独立した王国で文化的にも北部と違った発展をしていた事も関係しているのかもしれません。

③南部方言

南部:
現在のホーチミンは1623~1698年にカンボジアが勢力を失った時に大量のベトナム人が入植したことから始りました。それ以前はクメール人が居住している地域で,クメール王国の1部であり,カンボジア王国の1部の地域でした。ベトナム語の北部と南部で発音が違うのもチャンパ王国が間に存在していたため,独自にカンボジア王国やチャンパ王国の影響を受けたためかもしれません。

ベトナム統一時代:
出典:ベトナム

阮朝(1802~1887)の時代に初めて現在のベトナム領土になりました。その後1887年から1945年まではベトナムはフランス領インドシナとしてフランスの支配下にありました。

現在のベトナム領土が形成されたのはここ200年程で,阮朝の時代は中国の制度を取り入れた小中華体制で統治していました。ベトナム語は中国の影響が強かった影響で辞書に載っている単語の70%が漢字表記が可能です。発音も広東語に似ていることがたびたび指摘されます。

ベトナム語は1954年までは漢字とベトナム独自の文字チュノムで表記されていました。1945年の阮朝滅亡により漢字とチュノムは使用されなくなり,17世紀にフランスの宣教師が考案したクオック・グーというローマ字表記がベトナムの正式な表記法となりました。

現在のベトナム語は,元はモン・クメール語が語源で長い中国支配の末,中国の漢字文化の影響を多大に受け発音は古代中国語から来ており,最終的に西洋文化のアルファベット表記になったというベトナムの地理的条件と歴史が色濃く反映されている言語です。国の成り立ち自体が3つの別々の地域が統合されてできたのがベトナムです。北部ベトナム語が標準ベトナム語になっていますが,完全に統合されて200年程なので北部・中部・南部で発音が違うのも当然かもしれません。その上ベトナムの田舎に行くと微妙に違った発音になるところもあり,ハノイの標準ベトナムが徹底してベトナム全土で使われているわけではないところがベトナム語をより難しくしています。

■ベトナム語の構造的な難しさ

◎ベトナム語が英語アルファベットと似ている

ベトナム語が英語のアルファベットと似ているが故に英語に慣れた人程始めは混同してしまいます。ベトナム語そのままでも読めそうなのが逆に障害になる事があります。ベトナム語表記の実際は声調を表す声調記号のようなものと考えた方が良さそうです。更に同じ単語で状況によって違う意味になったり,主語が年齢階層によって呼び方が変わったり,類別詞の種類が多かったりとややこしさが他の言語より多くあります。

◎声調と母音の数

ベトナム語は声調が6つあります。そのため日本語の発音では通じません。声調言語に慣れていない日本人にとっては難解です。単語だけを覚えても声調も同時に覚えなければ通じないところが日本人にとぅて難しいところです。

ベトナム語の声調

母音の数も日本とは違い種類が豊富です。

ベトナム語の母音

◎有気音と無気音
日本語では有気音と無気音の区別がほとんどありませんが,ベトナム語では区別されています。


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