日本とタイの現金給付基準の違いと生活支援の解決策

日本
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コロナよりも経済的に死亡する可能性

-世界で経済的困窮がおきている
コロナウィルスの感染が拡大するにつれてつれて休業に追い込まれている人や企業が非常に多くなっています。その為に経済的に困窮する人が増加し,別の職種で働きたくとも多くの会社が休業を余儀なくされるなかで仕事もなくなってきています。このままではコロナウィルスによる感染よりも経済的な困窮で死んでしまいそうな勢いです。

-現金給付による救済

イギリスやアメリカなどでは既に実行されていますが,仕事を失った人に現金給付が行われています。日本も遅ればせながら10万円の現金給付が決まりました。(2020年4月時点)

-タイの現金給付制度はまるで宝くじ

タイ政府でもコロナウィルスの影響でタイでも職を失った貧困層に対して現金給付をしましたが,まるで宝くじの様な政策でヒンシュクをかっています。

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タイの現金給付政策

政策名はカッコよく”No One Left Behind”プログラムと銘打ち300万の人に3ヶ月間に5千バーツ(1万七千円)をAI判定で選別して配るという政策

3カ月ではなく6ヶ月にしよう。

いやまてよやはり3ヶ月に戻そう

…待った!資金が1カ月分しか無い!

政府からタイ富豪20家族に資金要請。しかもAIによる選別ではなく適当だった事が発覚

とまるでコメディみたいな迷走ぶりです。

タイと日本のセーフティーネットの違い

日本とタイは文化的にも近い国です。タイには仏教があり,国王がいます。日本も基本的には仏教国であり,天皇がいます。タイでは,有事の時には伝統的な旧来のセーフネットが機能しています。一方日本では,タイのような昔ながらのセーフティネットの機能はとうの昔になくなってしまいました。世界恐慌以来の不況になりそうな中,日本もある程度昔の制度を復活してみるのも1つの手段だと考えられます。そこで日本とタイの現在の違いを少し考察して解決策を考えてみました。

-タイのセーフティーネット

タイは敬虔な仏教国です。日本は最終的に困窮した時には生活保護という制度がありますが,タイでは福祉カードというシステムが2017年にできました。アメリカのフードスタンプの様にデビッドカードとして一定金額の範囲内で日用品や食料を購入することができます。タイでは貧乏人カードと揶揄される事も多く,毎月200〜300バーツ(600〜900円)程しか貰えません。また,現在は新規登録はできない様で制度を知らなかった人にとっては意味がないものとなっています。
おそらくは選挙対策として一時的に導入された模様です。タイの選挙では票の売買は裏で普通に行われています。タクシンの政党に一度も勝てなかった軍事政権が貧困層や農民の票を得るためになりふり構わずばら撒いたものと思われます。

-タイにある3つの伝統的セーフティーネット

1.食料自給率が高い

タイは平地が多く暖かい気候のおかげで2毛作,3毛作が可能です。食料自給率は156%と日本の28%と雲泥の差があります。食べ物は安く,基本的にタイの人は飢える事はありません。

2.お寺

タイは仏教国で昔からの伝統が残っています。人々は現世で徳を積めば現世・来世で幸せになれると信じられています。そして,徳を積むとは貧しい人に施しをしたり,お寺に寄進したり,供物を捧げたりする事です。

タイのお寺には社会から溢れた人を救済する機能があります。たとえ元犯罪者でも僧になり修行に励めば尊敬の対象になります。また仕事を失っても僧侶になれば衣食住には困りません。

3.親戚関係

日本は親戚関係の繋がりが薄れて来ており,親戚同士でも助け合う事は少なくなりました。タイは農業人口が44.6%と未だに農業人口が多い国です。農業では人手が必要な事もあり農民同士助け合うと共に親戚同士も助け合います。そのため職に溢れたり,都会で食べることができなくなっても親戚や農村の共同体に戻れば助け合いにより飢える事はありません。

4.温暖な気候

冬の季節でも北部や山間部以外は寒くもなく雪も積もりません。そのため雨風を凌ぐ場所さえあれば普通に過ごす事ができます。

-タイは恵まれているが日本人にとっては死活問題

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タイでは元々食料事情,気候,仏教的セーフティーネットに恵まれているので多少の事があっても死ぬほどの事はありませんが日本の場合は生活保護があるとはいえ,昨今の予算不足で生活保護は受けにくくなっており,非正規労働が4割を占めるようになっている昨今では,職を失えば,生きるか死ぬかの窮地に立たされてしまう人も少なくありません。

-タイでも職を失って自殺する人が増えている
今回のコロナウィルスの影響はタイでも別格です。タイは観光・飲食業に従事している人が多い国なので,タイの伝統的なセーフネットでも吸収しきれなくなってきています。特に最近のタイ人は借金が多く,職を失って借金を返せなくなった人が大勢います。また,ローンなどで多額の借り入れがある人,事業がうまくいかなくなった人など今回のコロナウィルスの影響は凄まじく,自殺する人も多くなっています。

解決策として日本のお寺の役割を見直してみる

-昔の日本のお寺は社会インフラの一部

昔の日本のお寺はタイのように社会インフラの一つとして機能していました。昔のお寺は教育の場であり,福祉,文化の拠点としての役割を担っていました。また江戸時代には檀家制度により行政機関としても機能していました。現在のお寺は”葬式仏教”と揶揄されるようにお墓参りやお葬式の時に行くぐらいしか機会がありません。

-お寺を社会インフラの一部として復活させれば…

お寺は全国津々浦々にあります。昨今の少子高齢化のせいでお寺の経営も難しいものとなっています。そこでタイのようにお寺に福祉の機能を持たせるのはどうでしょうか?お寺に寄付をすれば税金を控除できるようにして,お寺にお世話になる人は修行をし衣食住が保証されるようにするのはどうでしょうか?あるいは,余った野菜や米などをお寺に集積して,Food Card を発行してお寺に取りに行けるようにするのはどうでしょう?

今回のコロナウィルスの影響は凄まじいので小手先の政策では限界があります。そして現在の生活保護制度は財政的にもう限界が近づいています。少子高齢化で日本の稼ぐ能力も限界に近づいています。日本はある程度昔のような循環社会を取り入れ社会構造そのものを変化させる必要があると考えられます。


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